■さまざまな懸念も

 生ごみ処理センターの付近住民は、たくさんのゴキブリが逃げて家に入って来ないか心配しているが、李主任は、「ワモンゴキブリは高温多湿で暗い場所を好む。飼育室には窓がなく、いくつかの通気口を除き、金網で蓋をしている。壁には水を噴射する装置が付けられており、ゴキブリが壁を上ると水を噴射し、食虫魚が泳ぐプールに落ちる仕組みになっている。さらに飼育室周辺には85センチの溝があり、ここでも食虫魚を飼っており、ゴキブリは逃げられない」と説明した。

 ゴキブリは不衛生ではないかという懸念の声に対しては、「中国の飼料使用規定値では、サルモネラ菌、大腸菌ともにゼロであることが求められ、カビは2万個体を超えてはならないとされている。ゴキブリから生産した昆虫タンパク質飼料には、サルモネラ菌、大腸菌ともに存在せず、カビは40個体だった」と説明した。

 環境保護学者でゴミ問題研究学者でもある毛達氏は、「動物に生ごみを処理させる方法は目新しくはないが、経済価値は高い。やはり課題となってくるのは、人工環境下での飼育管理だろう」と話している。

 退職した科学者らによる中国科学院(Chinese Academy of Sciences)老科学家科普演講団の李皓博士は、「生ごみを発酵させてエネルギーに変える方法が国際的には認可されている。ゴキブリは病原体を運ぶため、衛生上、ゴキブリが逃げない保証があるのかは疑問が残る」と主張している。(c)東方新報/AFPBB News