【7月1日 AFP】男子テニスの錦織圭(Kei Nishikori)は30日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)初戦で対戦する練習パートナー、クリスチャン・ハリソン(Christian Harrison、米国)との試合への複雑な思いを明かした。

 これまでウィンブルドンで本来の力を発揮できていない錦織は、予選を突破してきたハリソンとの1回戦で勢いがつくような勝利を求めている。しかし28歳の錦織は、良好な関係にある盟友との対戦で集中力を維持するのは難しいと認めた。

 錦織とハリソンは、米フロリダ州にあるIMGアカデミー(ニック・ボロテリー・テニスアカデミー<Nick Bollettieri Tennis Academy>)で出会った。

 ウィンブルドンで行われた会見で錦織は、世界ランキング200位につける24歳のハリソンについて「実際、彼のことはよく知っている。僕らはアカデミーでずっと一緒に練習している。一緒に成長した。親友との試合は簡単ではない」とコメントした。

「試合を楽しめたらいい。公式戦でプレーするのは初めてなので、エキサイティングな試合になるだろう。お互いに素晴らしいプレーができたらうれしい」

 ハリソンは錦織を熟知しているため、力強いスタートを切りたい第24シードにとっては厄介な相手になるかもしれない。プレースタイルをよく知っている相手との過去の対戦について問われた錦織は、「アドバンテージがあった時もあったし、そうじゃない時もあった。僕がどうプレーするか相手もよく分かっている」と答えた。

「対戦相手にまったくイメージがないよりはアドバンテージがあると思う。いつもより多くの戦略を立てることができると思う」

 ウィンブルドンにこれまで9回出場している錦織は、最高成績である4回戦の突破を目標に現地入りした。グラス(芝)コートで輝きを放てていないことを認めている錦織は、同サーフェスでけがをすることが多く、ハードコートでの活躍を再現できていない。

 2014年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)で決勝進出を果たし、その2年後の同大会でも準決勝にたどり着いた錦織だが、そのほかの四大大会(グランドスラム)では8強の壁を破れていない。

「これまでこのサーフェスで数々のけがをしてきた。自分のベストがまだ出せていない唯一のサーフェスがここだと思う」

「毎年新しいことにチャレンジしている。自分のテニスを少し変えなければならない。脚をもっと使わなければならない。グラスでは素早さがポイントになる。それはクレーとは違う。なのでこれまでいくつか問題を抱えていた」

「でも僕は芝でのプレーを楽しんでいる。違うショットを使わなければならないし、いつもとは違う形で望む必要がある。今年は結果が出ればいい」 (c)AFP/Steven GRIFFITHS