【6月22日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループB第2戦でイランに1-0で辛勝し、組首位に浮上したスペイン代表のフェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)監督は21日、チームは決勝トーナメント進出の厳しい試練に直面しているとコメントした。

 20日にカザニ(Kazan)で行われた試合でスペインは、スタジアムの大半を占めたイランサポーターのブブゼラと大合唱の重圧にさらされる中、後半ジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)が決勝点を挙げて勝ち点3を積み上げた。

 初戦でポルトガルと3-3で引き分けたスペインは、今大会初勝利を挙げ、同日早い時間の試合でクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が2戦連続ゴールを決めてモロッコを下したポルトガルと勝ち点4で並んだ。

 イエロ監督は、有力チームが初戦で軒並みつまずいたことが不安の原因だと話す。初戦で前回王者ドイツはメキシコにまさかの敗戦を喫し、ブラジルはスイスと、アルゼンチンはアイスランドと引き分けた。フランスは運も味方してオーストラリアに2-1で辛勝している。

「これがW杯だ。簡単な試合など一つもない。チームには改善の余地がある。その間も勝ち続けることを願っているが、どのチームも簡単に屈してはくれない」

 イエロ監督は、カリーニングラード(Kaliningrad)で25日に行われるモロッコ戦にも危険は潜んでいると話す。グループ3位には勝ち点3でイランがつけており、決勝トーナメント進出の可能性を残している。

「われわれはとても均衡したグループにいる。ほかのグループと同じようにすべてのチームが同等だ」「16強が決まった組もあるが、われわれのグループはとてもタフだ。モロッコ戦では勝ち点3を確保する以外の選択肢はない」

 8年前のW杯初制覇以来2度目の優勝を目指すスペインは、7月から同国1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)の監督に就任すると発表したフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)前監督が大会開幕前夜に解任されるという最悪のスタートを切った。

 スペイン代表として89試合に出場して29得点を記録したイエロ監督は、スポーティング・ディレクター(SD)から昇格してポルトガルとの初戦で指揮を執った。

 また、カルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督率いるイランも、開幕前にいくつかの困難に見舞われた。ギリシャとコソボに親善試合を中止されたイランは、米国が同国に科した経済制裁を理由に、米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)からスパイクの提供を停止された。

 ケイロス監督は、イラン史上初の決勝トーナメント進出という「夢」はまだ実現可能だと強調する。「この大会に来るまで、われわれはノーチャンスだという評判だったが、今でも次のラウンドに進むチャンスが残っている。われわれは夢に向かって戦う」「グループ首位の座は失ったが、現時点で夢は終わっていない。ポルトガル戦はわれわれにとってすべてを決める試合になる」 (c)AFP/Justin DAVIS