【6月17日 AFP】2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)でジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)は、スペインのスタイルにフィットすることができずグループリーグ敗退の一因となった。

 しかし、15日にソチ(Sochi)で行われたW杯ロシア大会(2018 World Cup)のポルトガル戦でコスタは、圧倒的なフィジカルとペナルティーエリア内での勝負強さを発揮して2得点を挙げて3-3の引き分けに貢献した。

 同国の日刊紙パイス(El Pais)は16日、「スペインがジエゴ・コスタにフィット」と見出しを打ち、フェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)新監督はアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)に所属する同選手の先発起用が報われたと伝えた。

 スペインはクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)に2度先行を許すゴールを決められたが、その度にブラジル出身のコスタのゴールで追いついた。

 1点目はコスタの真骨頂から生まれた得点だった。ペペ(Pepe)を倒したプレーはファウルぎりぎりだったが、ペナルティーエリア内に進入したコスタは、相手DFをかわしてゴール左隅にシュートを流し込んだ。

 その後セットプレーの流れから2点目を決めたコスタは、後半途中にイアゴ・アスパス(Iago Aspas)と交代してお役御免となった。

 その後スペインはナチョ(Jose Ignacio Fernandez Iglesias 'Nacho’)のファインゴールで勝ち越しに成功したが、コスタはロナウドのハットトリック達成となる直接FKがゴールに吸い込まれる様子をベンチで見届けるしかなかった。

 コスタを先発起用するイエロ監督の決断は、大会開幕前日に電撃解任されたフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)氏のプランを踏襲するものった。

 イエロ監督には本大会前最後の試合となったチュニジア戦で決勝点を決めたアスパスを先発させる選択肢もあったが、起用に応えたコスタは、テクニカルなイスコ(Isco Alarcon)、ダビド・シルバ(David Silva)、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)の前で潰れ役を果たした。

 イエロ監督は「ジエゴの力がチームに必要になる試合だと感じていた。相手のセンターバックを消耗させる素晴らしい仕事を果たした」とコスタをたたえた。

 パイス紙のジエゴ・トーレス(Diego Torres)氏は、コスタは「ドレッシングルームの影響力の強いグループの意思、そしてスペインのスタイルが根付いた選手の資質」と対極にあるため結果を残してきたという。

 コスタは試合後、「常に重要なのは得点を挙げることだ。神のおかげで何とかそれを達成できたが、俺たちが勝ったと思ったから残念だ」とコメントしている。

 コスタはカザニ(Kazan)で20日に行われるスペインのグループB第2戦のイラン戦でも先発の座を維持するものとみられている。指揮官の解任など騒動が続くスペインだが、イランに勝利すれば16強入りが濃厚となる。(c)AFP/Andy SCOTT