【6月15日 AFP】ムスリム女性が頭を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を理由に女性客を店から追い出したとして、訴訟沙汰になっていた米カリフォルニア州の飲食店チェーンが、断食月「ラマダン(Ramadan)」明けを祝うイスラム教徒たちに無料で飲み物とデザートを振る舞うと申し出た。従業員には多様性の尊重について教育するという。米国自由人権協会(ACLU)が14日、明らかにした。

 ACLUによると、女性客7人から訴訟を起こされていたのは、アースカフェ(Urth Caffe)のラグナビーチ(Laguna Beach)店。

 原告の女性グループは2016年4月、同店でコーヒーとデザートを楽しんでいたところ、店長から混雑時の時間制限45分を超過しているとして退店を促されたという。7人のうち6人がヒジャブを着用しており、退店させられたのはそのためだと女性グループは訴えていた。

 女性たちによると当時、店内には空きテーブルがたくさんあり、近くのテーブルのグループ客は自分たちよりも長時間座っているのに退店を要求されていなかった。そのグループ客の中にはヒジャブ姿の人はいなかった。女性たちはこれらの点を指摘し、イスラム教徒の女性への店の対応について疑問をぶつけた。

 すると、店は警察に通報し、駆け付けた警察官によって女性たちは退去させられたという。

 ACLUによると、女性グループとアースカフェ側は14日、店内の座席ルールを分け隔てなく適用し、従業員マニュアルに顧客の多様性を尊重しなければならない旨を明記することで和解に達した。カリフォルニア南部の7店舗をそれぞれ統括する責任者には、多様性に関する教育プログラムを実施する方針だという。

 また、アースカフェはラマダン明けを祝う祭り「イード・アル・ファイト(Eid al-Fitr)」に合わせ、16日にラグナビーチ店で飲み物とデザートを無料で振る舞う。

 店側は対応に間違いはなかったと一貫して主張しており、営業妨害されたとして逆に女性グループを提訴していた。(c)AFP