【6月11日 AFP】国連(UN)は11日、内戦が続くシリアで、今年初めから4月末までの4か月間に92万人以上が国内で避難を余儀なくされたと発表した。7年に及ぶ内戦の勃発以降、最も高い水準だという。

 国連のパノス・ムムツィス(Panos Moumtzis)人道調整官(シリア危機担当)は、スイス・ジュネーブで行った記者会見で、「われわれはシリア国内で大規模な避難を目にしている…1月から4月にかけて、新たに避難した人々が92万人を超えた」と明らかにした。

 ムムツィス氏は、「内戦が始まって以降、短期間に発生したものとしては最多となる国内避難民数だ」と指摘している。

 ムムツィス氏によると、新たな国内避難は大半の場合、反体制派が支配していた東グータ(Eastern Ghouta)と、イスラム過激派と強硬路線の反体制派が大半のエリアを掌握している北西部イドリブ(Idlib)県内での戦闘激化に起因しているという。

 国連のまとめでは、シリア国内の避難民数は今年4か月間の新たな避難者数を加えると計620万人に達し、また近隣諸国に逃れた難民の数も約560万人に上っている。(c)AFP