【6月8日 AFP】サッカーオーストラリア代表のベルト・ファン・マルワイク(Bert van Marwijk)監督は、今月開幕するW杯ロシア大会(2018 World Cup)に向けた準備を進めるために、自ら給与を支払ってアシスタントコーチや分析担当者ら8人のスタッフを雇用することになった。同国のメディアが8日に伝えた。

 オーストラリア・サッカー連盟(FFA)と総額100万豪ドル(約8300万円)でW杯終了までの短期契約を結んだと伝えられているファン・マルワイク監督は、フェアファックス・メディア(Fairfax Media)の報道で、W杯に向けたサッカルーズ(Socceroos、豪代表の愛称)の準備を早期に軌道に乗せるため、自分のポケットマネーで同じオランダ出身の8人の技術スタッフを雇うつもりであると伝えられた。

 ファン・マルワイク監督が今回の決断に至ったのは、大勢の新しいアシスタントを雇用する予算がないと、FFAから伝えられたためとされている。指揮官はオーストラリア代表が大会まで短期間しかない状況に直面していることをふまえ、自分のメッセージ、プレースタイル、そして戦術などを可能な限り早く選手たちに伝えるため、自分のコーチ陣が必要であるという認識を示したという。

 報道ではファン・マルワイク監督のコメントを引用し、「こうすることが必要なのは時間がないからだ。これほどの短期間でチームを向上させるためには、私のことを知っている人間と仕事をする必要がある。私の目を通し、私の意味するところを理解できる人が必要だ。コミュニケーションの問題を抱えている余裕はない。互いを知るには時間を要するが、私にはその時間がないのだ。オーストラリアの人々と一緒に仕事はしたいが」と伝えた。

 ファン・マルワイク監督を支えるコーチ陣は、全員が過去に同監督との仕事経験がある人物で、元オランダ代表のマルク・ファン・ボメル(Mark Van Bommel)氏を含めたアシスタントコーチ4人、映像分析担当者2人、そしてスカウト2人とされている。

「彼らが必要なのは、私の仕事の仕方を知っているからだ。彼らは私がどうしたいのか、そしてどのようなプレーを望んでいるのか知っている。彼らはお金のために来るような人たちではなく、任務を果たすためにやってくる。プロフェッショナルな人材が必要なのだ。W杯でチャンスをつかみたいなら、プロフェッショナルに徹して仕事をしなければならない。今はそういうことだ」 (c)AFP