【5月31日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2018)は30日、男子シングルス2回戦が行われ、大会第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は2-6、7-5、4-6、6-1、6-2の逆転でドゥサン・ラヨビッチ(Dusan Lajovic、セルビア)を退け、3回戦に進出した。試合後の会見では、記者のきついイングランド北部ヨークシャー(Yorkshire)なまりの英語を茶化して会場の笑いを誘った。

 ドイツ出身で英語とロシア語も堪能なズベレフだが、この日の会見では、英北部出身だという記者の言葉が聞き取りづらかったようで、「どこの人?」と聞き返して記者を驚かせると、ヨークシャーとの答えに対して「いいね。そこで大会があったら、そのアクセントを聞くためだけに出たっていい。最高だ。何を言っているか分からなかったよ」と続けた。

 記者は、四大大会(グランドスラム)で優勝するには何が必要だと思うかと聞いていた。ズベレフは、いつグランドスラムを取れるのかという報道陣の質問にいらいらし始めていただけに、このやり取りは会場の雰囲気を明るくした。

 今季のズベレフは、ここまで全選手中最多となるシーズン32勝を挙げ、クレーでもBMWオープン(BMW Open 2018)とマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2018)で優勝、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2018)ではラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に次ぐ準優勝と見事な実績を残している。

 しかし、グランドスラムではブレークスルーを果たせておらず、昨年の全仏は1回戦敗退。今季のグランドスラム初戦である全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)でも、3回戦でチョン・ヒョン(Hyeon Chung、韓国)に屈し、メジャー大会では昨年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)で残したベスト16が最高成績となっている。

 それでも、この勝利で全仏の自己ベストに並んだズベレフは「いろんな人が、実際よりも誇張したストーリーを作り出そうとする。ATPツアーでは素晴らしい結果を残し、マスターズ大会を三つ勝って、今年は準優勝も2回あった。だから心配はしていない。正しい道を進んでいるのは分かっているし、正しく努力していれば、こういう長い試合にも勝てるようになり、成功はおのずとやって来るはずだ」と話した。

 ドイツの選手としては1937年以来となる全仏制覇を目指すズベレフは次戦、第26シードのダミアー・ジュムホール(Damir Dzumhur、ボスニア・ヘルツェゴビナ)とベスト16入りをかけて対戦する。(c)AFP/Dave JAMES