【5月25日 AFP】英首都ロンドンで昨年9月、同市在住のフランス人カップルが、オーペア(住み込みで家事を手伝う留学生)の女性を殺害し、遺体を自宅の庭で焼くという事件が発生した。その裁判が24日、同市中央刑事裁判所(Old Bailey)で行われ、両被告に有罪評決が言い渡された。

 殺害されたのは、ソフィー・リオネ(Sophie Lionnet)さん(当時21)。サブリナ・クイデル(Sabrina Kouider)被告(35)とパートナーのウィセム・メドゥニ(Ouissem Medouni)被告(40)に有罪が言い渡されると、クイデル被告は泣き崩れた。

 検察官は、「リオネさんをどのように殺したかはクイデル被告とメドゥニ被告にしか分からないが、事故ではなく故意に暴行を繰り返した結果リオネさんが亡くなったことは証明できた」と話し、「二人は共謀してリオネさんの遺体を処分する計画を立て、このおぞましい犯罪の責任を逃れようとした」と指摘した。

 ファッションデザイナーで2児の母親のクイデル被告は、量刑が言い渡される来月26日に先立ち、精神鑑定を受ける予定。

 2か月に及んだ裁判で両被告は、リオネさんの殺害自体は否認しているものの、遺体を焼いたことは認めている。

 両被告は、クイデル被告の元交際相手が家族に性的暴行を加えたと主張。その男性と共謀したのがリオネさんだと思い込み、リオネさんを問い詰め、拷問したとされる。

 警察によると、両被告はリオネさんの「自白」を引き出すため、12日間にわたって「詰問を繰り返した」という。クイデル被告はリオネさんの犯行の証拠として警察に提出しようと、その様子を動画に収めていたという。

 事件は昨年9月20日、メドゥニ被告がロンドン南東部サウスフィールズ(Southfields)の自宅でリオネさんの遺体を焼いた際に発覚。

 近隣住民が煙と「猛烈な悪臭」を通報し、駆け付けた消防隊員が消火作業中に人の指数本と鼻を発見。「なぜ遺体を燃やしているんだ」と問いただすと、メドゥニ被告は「ヒツジだ」とごまかしたという。(c)AFP/Pauline FROISSART