【3月26日 AFP】デンマークの首都コペンハーゲンの地方裁判所で23日、潜水艇の取材をしていたスウェーデン人女性ジャーナリストのキム・ウォール(Kim Wall)さんを殺害した罪に問われているピーター・マッセン(Peter Madsen)被告(47)に対する裁判が行われた。法廷で証言した知人は、同艇を自作した発明家である被告がかつて自分自身を「愛に満ちた精神異常者」と分析していたと明かした。

 マッセン被告の研究所に勤めていたというこの証人は、「被告の性的幻想が徐々に手に負えないものになっていった」と述べるとともに、被告が自身を「精神異常者ではあるが、愛に満ちている」と形容していたことも明らかにした。

 謀殺と性的暴行、さらに遺体を冒涜(ぼうとく)した罪に問われているマッセン被告は、何度も供述を翻してはいるものの、ウォールさんが事故死したという主張は一貫して維持。またマッセンさんの遺体を切断して船外に遺棄したことは認めているが、謀殺と性的暴行については否認している。

 証人は言葉に詰まりながら、マッセン被告が拷問を加える様子を収めたポルノ映画を制作しようという考えを抱き、殺害されたり自殺したりするシーンを含む映画に興味を示していたと話した。

 22日には検視官が、ウォールさん体や頭部に見つかった傷について証言。特に、被害者の局部周辺に見つかった14か所の刺し傷が尋問の焦点となった。

 検察側は、被告が自身の性的幻想を交えてウォールさんを殺害したサディストという面を強調。終身刑を求刑する方針を示している。来月25日には評決が言い渡される予定。(c)AFP