【5月23日 CNS】中国の製薬会社「河北常山生化薬業(Hebei Changshan Biochemical Pharmaceutical、常山薬業)」は22日、同社の適時開示が法律・規則に違反している疑いがあるため、証券監督管理委員会の調査を受けることになったと発表した。営業は通常通り行っている。

 常山薬業は今月15日、全額出資子会社が開発した勃起不全治療薬が医薬品などの製造・品質管理に関する基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)を取得し、発売可能になったと発表していた。

 同社は発表文書に、「統計によると、中国のED患者は約1億人4000万人。そのうち30%が治療を必要としていると仮定すると、4200万人。これらの患者が治療薬を日常的に使えば、中国の潜在的な市場規模は100億元(約1700億円)にもなる」と記載した。

■潜在需要「約1700億円」で株価ストップ高、根拠なかった

 この発表を受け、深セン証券取引所は常山薬業に対し、データの根拠と正確性を示すとともに、商品のリスクについても十分に説明するよう求めた。

 常山薬業はその後、データは従業員がインターネットで検索し、証券会社の研究報告などから抜き出した数字だと説明。数字の根拠、計算方法、正確性については精査していないことを認めた。

「1億4000万人が勃起不全」の発表後、常山薬業の株価は急騰。16、17日は連続してストップ高となり、2日間で株価が20.56%上昇した。

■幹部社員が自社株売り抜け

 また常山薬業は17日夜、同社幹部4人がこの日、自社株1008万株、8764万元(約150億円)相当を売却したと発表。深セン証券取引所は翌18日、株価に影響を与えるような情報の公開とそれに続く幹部の株式売却という一連の流れが、取引所のガイドラインに違反している疑いがあり、同社と関係者の処分手続きを進めると発表していた。(c)CNS/JCM/AFPBB News