【5月14日 AFP】イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は13日、中国を訪問して王毅(Wang Yi)外相と会談し、米国離脱後のイラン核合意について「明確な将来図」を構築することに期待を示した。

 崩壊の瀬戸際にあるイラン核合意の維持を目指した当時国歴訪を中国から開始したザリフ外相は、会談後の記者会見で「中国をはじめとする全当事国の訪問を通じて、包括的合意のための明確な将来図を構築できると思う」と述べた。

 イラン学生通信(ISNA)によると、北京に到着したザリフ外相は、イラン政府には「あらゆる選択肢を検討する用意がある」と発言。「核合意が維持される場合は、イラン国民の利益が保証されなければならない」と付け加えた。

 会談後、両外相はイランと中国の「包括的・戦略的パートナーシップ」を高く評価。王外相は「この当事国訪問がイランの正当な国益と、地域の平和と安定を守る一助となることを願う」と語った。ザリフ外相はこの後モスクワとブリュッセルを訪れ、米国離脱後の核合意の維持をめぐり協議する予定。

 中国は2015年、米、ロ、仏、英、独と共に、イランが核兵器開発を行わないことと引き換えに対イラン経済制裁を解除する歴史的な合意に署名した。しかしドナルド・トランプ(Donald Trum)米大統領は今月、合意からの離脱と制裁の再発動を表明し、中国、ロシアに加え欧州の同盟諸国の怒りを買っている。

 一方、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は13日、イランの「有害な行動」をけん制するため欧州諸国と新たな合意を結ぶことに米政府は意欲的だと表明した。(c)AFP