【5月5日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)は4日、第1ステージ(エルサレム、9.7キロメートル)の個人タイムトライアルが行われ、チームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)が「完璧」な走りを披露し、優勝候補に挙げられているチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)を抑えて開幕ステージを制した。

 BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のローハン・デニス(Rohan Dennis、オーストラリア)が僅差で2位に入る一方で、午前中の練習で落車したフルームは21位に終わり、トップに37秒差をつけられた。

 昨年のツール・ド・フランス(2017 Tour de France)とブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2017)で歴史的な同年2冠を達成したフルームは、これまで史上3人しか達成していない三大ツール(グランツール)での3大会連続優勝を目指していると同時に、同9月のドーピング検査で陽性反応を示した薬物スキャンダルに直面している。

 この日は午前中の練習で数人のライダーが転倒しており、フルームはそのなかの一人として切り傷と擦り傷を被ったほか、スーツの右側も敗れてしまうなどのアクシデントに見舞われた。同選手はチームスカイが発表した声明で、「コーナーでフロントタイヤのバランスを失った」「落車にけがはつきものだが、深刻な負傷でなくて安心している」などと説明しただけで、ステージ終了後に報道陣の取材に応じることはなかった。

 インスタグラム(Instagram)に投稿された動画では、フルームが激しく地面に打ちつけられた様子が確認されていたものの、普段は優れた走りを披露する同選手が、これほど出遅れると予想する声はほとんどなかった。

 5キロメートルを過ぎた中間地点ですでに50位まで後退しながら、後半ではタイムを改善したフルームだったが、トップから20秒遅れの7位に入った同胞でミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates)、同27秒遅れの10位を記録したバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(Domenico Pozzovivo、イタリア)、そして同33秒遅れの16位に続いたFDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)らの後塵(こうじん)を拝した。

 普段ならば、こうしたクライマーを大きく引き離しているはずのフルームは、「TTでは勝利を当てにしていないし、ここでトムと張り合う気はない」とコメントした。(c)AFP