【4月14日 AFP】会員の夫が複数の女性に性的暴行を加えていたとされる問題で危機的状況にある、ノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)を選考するスウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)は13日、新事務局長に作家で文学教授のアンデルス・オルソン(Anders Olsson)氏(69)を指名した。

 冷静な態度と外交手腕で知られるオルソン氏は、今回の問題をめぐって分裂した残りの11人の会員をまとめるため、「暫定」事務局長に指名された。

 この問題は、アカデミー会員で詩人のカタリーナ・フロステンソン(Katarina Frostenson)氏のフランス人の夫、ジャンクロード・アルノー(Jean-Claude Arnault)氏からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や性的暴行を受けたとする女性18人の証言が報じられたことで明るみに出た。アルノー氏は疑惑を否定している。

 フロステンソン氏とサラ・ダニウス(Sara Danius)前事務局長は12日、問題をめぐり辞任した。

 アカデミー会員の利益相反とノーベル賞受賞者の名前を漏えいした事実が明るみに出たことを受け、この問題をどう線引きするのか、いかなる措置をとるのかでアカデミーは分裂した。一方はフロステンソン氏を擁護する保守派で、もう一方は改革を目指していたダニウス前事務局長の支持派だ。

 1786年に創設されたスウェーデン・アカデミーで女性では初めて事務局長となったダニウス氏は12日、会員の過半数の支持を得ることができず、辞任することに同意した。

 問題をめぐり辞任を拒んでいたフロステンソンも、アカデミー会員を辞任すると発表した。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT