【4月10日 AFP】(更新)米連邦捜査局(FBI)は9日、ニューヨークにあるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の顧問弁護士を長年務めてきたマイケル・コーエン(Michael Cohen)氏の事務所に対する強制捜査を実施した。コーエン氏の弁護士が明らかにした。トランプ大統領は「恥をかかされた」などと捜査を激しく非難した。

 コーエン氏の弁護士スティーブン・ライアン(Stephen Ryan)氏によると、強制捜査は、米大統領選でのトランプ陣営とロシアとの共謀疑惑を捜査するロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官からの情報提供などに基づき行われた。

 しかし米メディアによれば、捜査で押収された文書はコーエン氏が大統領選の投票日に先立ち、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんに13万ドル(約1400万円)を支払っていたとされる一件に関わるものだったとされる。ダニエルズさん側はこれをトランプ氏との不倫関係に関する「口止め料」だったと主張している。

 コーエン氏は、トランプ氏の不動産や個人的問題について長年にわたり助言を続け、トランプ氏の大統領就任後も同氏を支えてきた。ダニエルズさんに13万ドルを支払ったのもコーエン氏からだった。

 ライアン氏は「令状を取って捜査を行うというニューヨークの米検察当局による判断は、完全に不適切かつ不必要なものだ」と批判。「結果として、保護されている弁護士と顧客間のやり取りが不必要に押収された」と指摘した。

 トランプ氏は9日「恥をかかされた」「不当な扱い」だなどと猛反発。さらに「魔女狩り」「わが国に対する攻撃」とも毒づいた。怒りの矛先はジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官にも向けられ、同長官に対して「大勢の人々」がモラー特別検察官の解任を要求しているともぶちまけた。

 コーエン氏の事務所からさまざまな文書や証拠品が押収された数時間後、トランプ氏は激怒した面持ちで「彼らはロシアの共謀については何も見つけられなかった」と主張した。(c)AFP