【4月4日 AFP】今月3日、デザイナーのクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)が仏ブランド「ベルルッティ(Berluti)」の新クリエイティブ・ディレクターに就任した。大手メンズラグジュアリーブランドのトップ入れ替えの終結となる。

 11年間率いた「ディオール オム(Dior Homme)」を2週間前に去ったクリス。彼は、わずか3シーズンで「ベルルッティ」を後にしたコロンビア出身のデザイナー、ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)の後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任する。

 アントワンヌ・アルノー(Antoine Arnault)CEOの下、かつてアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)や欧州の王室たちが顧客として名を連ねたブランドから、男性用のラグジュアリーライフスタイルブランドへと変身を遂げた「ベルルッティ」だが、クリスは今回の任命について次のように語った。

「アントワンヌ・アルノーは『ベルルッティ』に大きな夢を持っていると話してくれた。私の意思とビジョンと完璧に一致するこの挑戦に挑めることを大変光栄に思う」

「サヴォワール・フェールとそのブランドの文化、そして明確な私のコンテンポラリーなビジョンの間の架け橋を作りたいと思ってきた」

 大幅に見直されることが予想されるクリス・ヴァン・アッシュによる「ベルルッティ」初のコレクションは、来年1月のパリ・コレクションまで発表されない。

LVMHグループのベルナール・アルノーCEOの息子アントワン・アルノー氏(写真右、2017年10月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / GEORGES GOBET

 仏ラグジュアリー業界の重鎮、「LVMH」のベルナール・アルノー (Bernard Arnault)取締役会長兼CEOの息子でもあるアントワンヌは、「クリス・ヴァン・アッシュのことは数年前から知っており、『ディオール オム』での彼の作品を長年敬服してきた。彼と共に仕事をするのを楽しみにしている」と語った。

 同ブランドも傘下に持つ「LVMH」のメンズラインはここ数週間、大きな変貌を遂げている。エディ・スリマン(Hedi Slimane)が「セリーヌ(CELINE)」のアーティスティック・ディレクターの座に就き、英デザイナー、キム・ジョーンズ(Kim Jones)がルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)から「ディオール オム(Dior Homme)」へと移り、その後任に「オフ-ホワイト c/o ヴァージル・アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」のヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が任命され、アッカーマンが「ベルルッティ」を去った。

「ディオール」のテーラリングにパンク風のストリートスタイルのタッチを加えたヴァン・アッシュ。「ベルルッティ」ではプレタポルテのコレクションに加え、シューズやレザーグッズ、アクセサリーなどを任せられると同ブランドは発表した。

 クリス・ヴァン・アッシュは、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)などのトップクリエイターを輩出した、アントワープ王立芸術アカデミー(Antwerp Royal Academy of Fine Arts)の出身でもある。(c)AFP