【4月2日 AFP】男子ゴルフ、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)のマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament)復帰が近づく中、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)周辺では期待感が高まり、すでに貴重な観戦パスは通常をはるかに上回る価格で転売されている。

 2日の公式練習1日目を前に、選手たちはマグノリア・レーンを進んでクラブハウスに向かった。今回の第82回大会で、4回の手術から復帰したメジャー14勝のウッズは、自身5回目のグリーンジャケット獲得を目指す。

 ウッズは前週、自身のウェブサイトで「勝つことしか考えていない。毎週、大会に出るたびに良くなっているし、少しずつ研ぎ澄まされている。ピースがはまり始めている」と語った。

 ウッズは過去4年のマスターズを3回欠場していて、昨年大会は直前に脊椎を固定する手術を受けた。それでもここ2戦は、バルスパー選手権(Valspar Championship 2018)で2位タイ、アーノルド・パーマー・インビテーショナル(Arnold Palmer Invitational 2018)で5位タイという成績を残していて、本人もそれには手応えを感じている。

 どん底の時期には、競技としてのゴルフへの復帰すら危ぶまれたウッズだが、42歳の元王者の復活のストーリーには周囲からの関心も高まっていて、観戦バッジの転売価格は元の値段を数千ドル上回るほどに急騰している。

 ウッズ本人は「人生のセカンドチャンスを与えられた。自分は歩く奇跡だ」と話し、昨年大会2位のジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)も「見ている限り今は素晴らしい状態だし、自分のプレーをコントロールできているようだ」と話している。

 現在のウッズは、2008年の全米オープン選手権(2008 US Open Championship)以来メジャー制覇から遠ざかり、メジャー出場も予選敗退に終わった2015年の全米プロゴルフ選手権(2015 PGA Championship)以来となる。マスターズ制覇は2005年までさかのぼらなくてはならない。

 それでもウッズは「とにかくプレーできるのが本当に楽しみだ。マスターズは世界最高の運営がなされている大会。コース、パトロン、全体的な雰囲気。ゴルファーにとっての天国だ」と話している。

 このところのウッズは12ラウンド連続でイーブンパー以上と復調をうかがわせていて、今回のマスターズは、世界有数のスーパースターとなったころの状態を取り戻せているかを測る場にもなる。オーストラリアのジェイソン・デイ(Jason Day、オーストラリア)は「最初の2回の復帰とは大きく違う。あのときは準備ができていなかった。もうすぐ戻ってくるよ。今は前よりも飛ばしている」と話している。

 それもあってか、ブックメーカーの中にはウッズを一番人気に推すところもあるようだ。本人は「なんだかおもしろいよね。半年前は、もうプレーできないっていう見方が優勢だったんだから」と話している。

■ライバルたちも好調を維持

 ウッズは2週間前、2015年の最終日以来、久しぶりにマスターズの会場オーガスタ・ナショナルでボールを打ち、9ホールの練習ラウンドを2回こなした。ウッズは「グリーンの表面がいくつか変わったところはあるけど、全体には100年前からずっと変わっていないように見える。僕のヤーデージブックも基本的にはそのまま使えた」と話している。

 サム・スニード(Sam Snead、米国)氏が持つ歴代最多勝利数まであと3勝に迫る、ツアー通算79勝を挙げているウッズだが、ライバルたちも好調を維持している。

 メジャーを複数回制しているロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)とバッバ・ワトソン(Bubba Watson、米国)、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)、そして前年MVPのジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)はすでに今季ツアーで勝利を挙げ、昨年の全英オープン(The 146th Open Championship)覇者で、2015年には全米オープンとマスターズを制しているジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)もヒューストン・オープン(Houston Open 2018)3位としっかり大会に合わせてきた。

 スピースは「ここ数戦で大きく前進した。来週の大会がとても楽しみだ。残りの何日かで仕上げて、そしてオーガスタでは少しスピードをコントロールして、週末の大会でチャンスを作れたらうれしい」と話した。(c)AFP/Jim SLATER