■儀礼的儀式の場か?

 以前、この地域には1000~1500の集落が存在していたが、その遺跡の3分の2ほどはまだ見つかっていないと研究チームは考えている。

 こうした遺跡は直径30メートルの人工的な溝で囲まれた囲い地(ジオグリフ、地上絵)から、くぼんだ道が周囲に放射状に広がる円形広場を取り囲む幅400メートルの構造物まで、大きさはさまざまだ。

 正方形や円形、六角形などの形状のものがあるこれらの謎めいた囲い地が何に使われていたかは依然として不明のままだ。

「儀礼的儀式の一部に使用されていた可能性がある」と、研究チームは論文に記している。

■歴史の再評価

 集落は調査対象の81の囲い地の近くまたは内部で発見されるケースが多かった。囲い地の土構造物はこの区域から樹木を除去することが可能な乾季の間に築かれた可能性が高いと、論文は推測している。

 また、一部の囲い地は網目状の渡り道を通じて相互に連結しており、長い年月をかけて精巧に構築されていた。

 過去の研究では、ブラジル西部アクレ(Acre)州で今回と同様の溝や地上絵が450か所発見されたが、遺物はほどんど見つかっていなかった。

 英エクセター大学(University of Exeter)のジョセ・イリアルテ(Jose Iriarte)教授は「アマゾンの歴史を再評価する必要がある」と指摘する。「間違いなく、これは大河の河岸近くにのみ存在する人の居住域ではなく、ここで暮らしていた人々は実際に地形を変えていた。今回調査した地域は少なくとも数万人規模の人口を有していた」 (c)AFP/Hazel WARD