【3月27日 AFP】2015年11月の仏パリ同時襲撃事件に巻き込まれた米ロックバンド、イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)のボーカル、ジェシー・ヒューズ(Jesse Hughes)さん(45)が、フロリダ州の高校での銃乱射事件を受けて高校生が呼びかけた「私たちの命のための行進」に参加した生徒らを「反逆者」呼ばわりし、激しい非難を浴びている。

 行進は、2月に元在校生による乱射で17人が犠牲になったフロリダ州パークランド(Parkland)のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校(Marjory Stoneman Douglas High School)の生徒らが主催し、首都ワシントンで今月24日に数十万人が参加して行われた。全米各地でも集会などが開かれ、銃規制を求めるデモとしては過去20年近くで最大となった。

 だがヒューズさんはここ数日、銃規制やこの行進をめぐりインスタグラム(Instagram)に行った5回の投稿の中で、同校での事件の生存者は休みを取るためにクラスメートの死を利用しているなどと主張。在校生のアクティビスト、エマ・ゴンザレス(Emma Gonzalez)さんを名指しし、「うそつき」とこき下ろした。

「乱射事件を生き延びた当事者として、私は自分の直接の経験からあなた方にこう言える。学校を休んで抗議しているあなた方は皆、その行動すべてによって、殺害された人の記憶を侮辱し、私を含む自由を愛する人間を侮辱している」

 ヒューズさんは、ゴンザレスさんが米国憲法を破り捨てている加工画像も共有し、「忌々しい反逆者づら」「無駄な生き残り」と罵倒。また、今回のデモの写真にも「誤った方向に導かれた若者と悪の共産主義者たち」と書き添えている。

 ヒューズさんは2015年11月にパリ市内の劇場「バタクラン(Bataclan)」で公演中、イスラム過激派による同時攻撃の一つに巻き込まれて以来、攻撃的な物言いで物議を醸してきた。ロックシンガーとしては珍しく右派で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領への支持も公言している。(c)AFP