【3月25日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2018)は24日、イタリア・ミラノで男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、ネイサン・チェン(Nathan Chen、米国)が4回転ジャンプを6回飛び、合計321.40点で初優勝を飾った。

 平昌冬季五輪で落胆に終わった18歳のチェンだったが、2位の宇野昌磨(Shoma Uno)にほぼ50点差をつけた。

 優勝候補の一角として臨んだ五輪ではショートプログラム(SP)で17位に終わりながらも、FSで巻き返して5位に入ったチェンにとって、雪辱を果たす結果となった。

「4回転キング」の異名を持つチェンは、「FS以外は自分のしたいことをできなかった五輪からいろいろなことを学びました。シーズンを良い形で締めくくれるチャンスを手にできたので、世界選手権がすぐ開催されて本当にうれしいです。五輪は異なる次元なので、そこでの経験は役立ちました」と振り返った。

 クリストファー・ゴードン(Christopher Gordon)作曲の映画『小さな村の小さなダンサー(Mao's Last Dancer)』の楽曲に乗せたフリーの演技でチェンは、自己ベストの219.46点を記録した。

 また、最多記録となったFSでの4回転6本成功についてチェンは「夢がかないました。キャリアの中で達成したいと思っていた目標だったので、それができてうれしいです」と語っている。

 平昌五輪金メダリストの羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が欠場する中、チェンはSPを終えて1.86点差と僅差の首位に立っていた。

 しかし、ライバルたちが一人、また一人と転倒する中、チェンはチャンスをもぎ取り、米国勢としては2009年のエヴァン・ライサチェク(Evan Lysacek)氏以来となる世界制覇を遂げた。

 平昌で銀メダルを獲得した宇野は足に負傷を抱え、3度転倒したものの、合計273.77点で2位に入り、3位には合計272.32点でミハイル・コリヤダ(Mikhail Kolyada、ロシア)が続いた。

 日本勢では友野一希(Kazuki Tomono)がFS3位に入り、合計256.11点で5位、田中刑事(Keiji Tanaka)が合計236.66点で13位だった。(c)AFP