【3月16日 AFP】中国人実業家のリー・ヨンホン(Li Yonghong)氏の抱える負債の下で苦しんでいるイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)の買収に、アラブ首長国連邦(UAE)の実業家が興味を示していると報じられた。

 イタリアのスポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)が15日に報じた、ドバイに拠点を置く実業家のサイード・アル・ファラシ(Saeed Al-Falasi)氏に加え、日刊紙レプブリカ(La Repubblica)は米国に拠点を置くファンドや、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)の株主でもあるアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)氏が率いるロシアの合弁企業もミランに注目していると伝えている。

 昨年4月、リー氏が率いる中国資本グループが前オーナーのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏から7億4000万ユーロ(約965億円)でミランを買収し、夏には新戦力の獲得に2億ユーロ(約260億円)を費やしたが、その財政の安定性が疑問視されており、欧州サッカー連盟(UEFA)の定めるファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の規定を上回る巨額の返済ローンを抱えている。

 クラブは米ヘッジファンドのエリオット・マネジメント(Elliott Management)から3億ユーロ(約391億円)を借り入れているが、今年10月までに返済できなければエリオットがクラブを支配することになる。

 一方でガゼッタ紙は、UEFAがミランとのFFP和解協定の最終期限の延期を許可する用意があると報じている。UEFAとミランの会合は来月に予定されているが、それまでに債務の借り換えが行われなければ、ミランは欧州大会への出場を禁止されることになる。

 ミランのゼネラルマネジャー(GM)、マルコ・ファッソーネ(Marco Fassone)氏は伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対し、「われわれは楽観的だ。借り換えは完了予定で、リー・ヨンホンとエリオット・マネジメントの関係性は非常に良い。クラブの今後についてはみんなが落ち着いている。UEFAはクラブの安定性の再確認を求めているが、私は彼らを安心させることができると確信している」と語っている。(c)AFP