【3月21日 CNS】中国・蘭州交通大学(Lanzhou Jiaotong University)の学生たちは教室に入ると、入口の壁に掛けてある「スマホ収納ポケット」に自主的にスマートフォン(スマホ)を預けた。学生の温利志さんは、「授業中にスマホがないと、授業に集中できる。先生ともしっかり意思の疎通ができる」と話した。

 同大学生工作処の貢力処長は、「ここ数年、学生たちが授業中にスマホに見入ったままうつむいている状態が多く見受けられるようになり、学業だけでなく授業の秩序にも悪影響を及ぼしているので、教室にスマホ収納ポケットを設置するに至った」と説明する。

 学生の温さんは、「以前は完全に依存していたが、今では手元にスマホがなくても慣れれば大丈夫。教室や宿舎の中でも友人たちと遊ぶ時にも、スマホのことを忘れてもっとたくさんコミュニケーションを取れて友情が深まる」と話す。

 学生だけではない、教師もスマホを収納ポケットに預けて授業に入る。田銘興教授は、「ポケットに番号が振ってあるため、収納ポケットを見れば、誰が来ていないか一目瞭然だ。学生も教師も授業に集中できるようになった。もう『低頭族』にならずに済み、健康的な生活習慣にもつながる」と話す。

 学生会幹部の李敬業さんは、「授業中にかかってくる、学生たちからの問合せの電話やメールへの対応に困っていた。すぐに返信しないと学生会の仕事をサボっていると思われる。収納ポケットが設置されてからは、安心して授業を受けられるようになったし、教室の雰囲気も明るくなった」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News