【3月11日 AFP】中国の全国人民代表大会(全人代、National People's Congress、国会に相当)は11日、国家主席の任期上限を撤廃する改憲案を圧倒的多数で可決した。これにより習近平(Xi Jinping)氏が「終身国家主席」となる道が開かれた。

 全人代の代表約3000人による採決は、賛成2958票、反対2票、棄権3票だった。

 中国では、建国の父とされる毛沢東(Mao Zedong)への権力集中が混乱を招いたことから、後に最高実力者となった鄧小平(Deng Xiaoping)氏により集団指導体制と権力継承の仕組みが確立されていた。だが今回の可決により時代は逆戻りすることになる。

 ネット上には、検閲で削除対象となっているにもかかわらず、全人代の歴史的な改憲に対し批判があふれている。

 北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で国家主席の任期を2期10年までと制限した条項を撤廃する改憲案の投票が始まると、習主席は真っ先に立ちあがり代表らの拍手を浴びながら票を投じた。

 半世紀以上におよぶ全人代史上、中国共産党の絶対的な提案が却下された例はなく、14年ぶりとなる改憲案が難なく全人代で可決されることは予測されていた。(c)AFP