【3月9日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の上海上港(Shanghai SIPG)でプレーするオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)は、今夏のサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に向けて、ブラジル代表になんとしてでも復帰することを望んでいる。

 昨年、6000万ユーロ(約79億円)の移籍金でイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)から上海上港に加入したオスカルは、2016年10月を最後に代表チームから遠ざかっている。

 それでもロシアW杯まで100日を切る中、26歳のオスカルは先週末、大連一方(Dalian Yifang)に8-0で大勝した国内リーグの開幕戦でハットトリックを達成すると、7日に2-2で引き分けた蔚山現代(Ulsan Hyundai)とのAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2018)では2点をたたき出した。

 2試合で5得点を挙げたオスカルは蔚山との試合後に、「好調さに満足している」と語った。

「ブラジル代表で5年間プレーしていた。今年はW杯だし、自分にはチャンスがあると思っている。自分に必要なのはここで好調を維持することと、今の自分らしいプレーをすることだ」

 上海上港のビトール・ペレイラ(Vitor Pereira)監督もまた代表復帰を願っており、オスカルを「試合中にいつも笑顔にしてくれる選手」と称した。

「能力に疑いの余地はない。私がブラジルの監督であれば確実に選ばれている。上海上港の監督として、彼とともに働けることは非常にうれしい」

 オスカルはこれまでに代表通算48試合に出場して12得点を決めているが、ブラジルのチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督を納得させるには至っておらず、その上指揮官には豊富な攻撃陣の選択肢もある。

 中国移籍時には、オスカルは母国でプレーするためのチャンスをつぶしてしまったとの声も上がっていた。

 それでもチッチ監督は、昨年11月のイングランドとの親善試合で北京国安(Beijing Guoan)のレナト・アウグスト(Renato Soares de Oliveira Augusto)を先発に起用し、それ以前には山東魯能(Shandong Luneng)のジエゴ・タルデッリ(Diego Tardelli)も選出していた。

 また、昨夏スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)から広州恒大(Guangzhou Evergrande)に移籍したパウリーニョ(Jose Paulo Bezerra Maciel Junior 'Paulinho')は、代表の大黒柱となっている。

 オスカルとチームメートのフッキ(Hulk)も2016年6月以降の招集はないが、今年6月のW杯本番まで時間が迫る中、チッチ監督の目にとどまることを期待している。

 ブラジルはW杯ロシア大会でグループEに入り、スイス、コスタリカ、セルビアと対戦する。(c)AFP