【2月28日 AFP】国際テニス連盟(ITF)が発表した男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)の改革案について、2017年大会を制したフランスのリュカ・プイユ(Lucas Pouille)は27日、新方式のスケジュールが「大会にとっての死刑宣告」だと強い口調で異議を唱えた。

 ITFは26日、現行のデビスカップにかわって、シーズン末に18か国が出場する「テニスW杯(World Cup of Tennis Finals)」を開催するという抜本的な変更案を発表した。

 ITFは、FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するサッカーのスター選手、ジェラール・ピケ(Gerard Pique)が作った投資グループ「コスモス(Kosmos)」と25年総額30億ドル(約3210億円)のパートナーシップ契約を締結している。

 この案に対し、現在アラブ首長国連邦(UAE)でドバイ・テニス選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships 2018)に出場しているプイユは、1回戦に勝利した試合後、「デビスカップにとっての死刑宣告だと思う」と話した。

「彼らはただ、ワールドチームカップ(ATP World Team Cup)を復活させたいATPの意見を採用しただけだ。1週間の間に、たくさんのチームが戦って、賞金もそれなり。そっくりじゃないか。それが連中の狙いだよ。それはもうデビスカップじゃない。復活したワールドチームカップだ」

 1世紀以上の歴史を持つデビスカップは、各チームが年間に4回試合を行うが、この方式が、すでに過密状態のツアー日程にうまくはまっていなかった。新形式では、このやり方が廃止される形になる。

 プイユは昨年11月に行われた前回大会決勝のベルギー戦で、両チーム2勝2敗で迎えた勝負の5戦目を制し、フランスを優勝に導いた。新方式には、プイユだけでなく、ヤニック・ノア(Yannick Noah)監督や女子代表のアメリー・モウレズモ(Amelie Mauresmo)監督といったフランスのテニス関係者も失望感を見せていた。

「連盟も、もうこの大会をデビスカップとは呼べないはずだ。ホームでも、あるいは相手の国でもプレーできないなら、それはデビスカップじゃない。大会をすでに経験している人間なら、まったくの別物だと思うだろうし、同じ雰囲気はもう味わえないはずだ。デビスカップにとっては、かなりひどいアイデアだと思う」

 さらにプイユは、長いツアーシーズンの終わりに国別対抗戦をまとめたとしても、現在36歳のロジャー・フェデラー(Roger Federer)や、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)といった大物が大会に戻ってくる可能性は低いと考えている。

「ロジャーは年間13か14大会に出場して、デビスカップはもう取っている。だから無理はしない。一度取った選手は、もう誰も出たがらないだろう。もしかしたら、2年か3年おきにやるようにしたら話は違ってくるかもしれない」

「11月の最終週にやるという話だけど、じゃあ選手はいつ休めばいいんだ?ノンストップだよ。休みがまったく取れない。ツアーは日程が詰まり過ぎだ、試合のし過ぎで年末には疲れ果ててるという話をみんながしている。そこへ来て、年末に別の大会を加えるなんて筋が通らない」

「2年か3年おきにしたら、あるいは可能かもしれない。でもそれがデビスカップとして良いアイデアかはわからない」 (c)AFP