【2月8日 AFP】相次ぐ性的虐待スキャンダルが闇を落としている米体操界で、今度は同国ミズーリ州でボランティアの元体操コーチが3件の児童虐待の罪で訴追された。

 女子体操選手から「不適切な接触」があったとの訴えを受け、捜査を行ったセントルイスから80キロメートル西に位置するワシントン(Washington)郡警察は声明で「捜査の過程で複数の被害者が確認された」ことを公表。デビッド・シュナイダー(David Schneider)容疑者による犯行は、2013年と2014年に行われていたという。

 地元紙セントルイス・ポスト・ディスパッチ(St Louis Post-Dispatch)では、当局は今後も被害者が名乗り出てくる可能性を懸念していると伝えられた。報道ではまた、現在41歳の被告は2014年から体操選手の指導は行っていないとされている。

 米体操界では現在、元チームドクターのラリー・ナサール(Larry Nassar)被告による性的虐待事件の余波が続いているものの、その注目の裁判の影響で被害者がシュナイダー被告の告発に踏み切ったかどうかは定かではないとされている。

 スポーツ医療界の権威で米体操のチームドクターとして名声を築き上げたナサール被告は、数百人の女性アスリートに治療と偽って性的虐待を行っていたことを認め、長期の禁錮刑を言い渡されて刑務所で死を迎える見通しとなっている。

 ナサール被告の裁判が終わりに近づく中、米体操界では五輪の女子団体でコーチを務めたジョン・ゲダート(John Geddert)氏による虐待疑惑など不祥事が次々と明るみになっており、同国体操連盟(USA Gymnastics)や、ナサール被告を雇用していたミシガン州立大学(Michigan State University)の責任者が辞任する事態に発展している。(c)AFP