【1月29日 AFP】内戦下のイエメン南部アデン(Aden)で28日、南部分離派が激しい戦闘を経て政府庁舎を占領した。これを受けてイエメン政府は、クーデター行為だと非難した。

 戦闘では少なくとも15人が死亡。病院関係者らの話では、うち3人が民間人だという。また国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」はツイッター(Twitter)で、アデン内のMSF施設の1か所に負傷者50人が搬送されたと発表した。

 イエメン北部の大部分を支配するイスラム教シーア派(Shiite)の反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」が2014年に首都サヌア(Sanaa)を占拠して以来、アデンがイエメンの事実上の首都となっている。

 同市で戦闘が発生したのは、政府の退陣を求めて集会を開こうとしていた分離派のデモ隊が、市内に入ることを阻止されたのがきっかけだったという。

 分離派側は、デモ隊に向かって発砲を命じたとして、アハマド・オバイド・ビンダグル(Ahmed Obaid bin Dagher)首相を非難した。

 治安筋がAFPに対し語ったところでは、アラブ首長国連邦(UAE)から訓練や支援を受けている分離派の部隊が、この戦闘後に政府庁舎を占領したという。

 政府は、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)大統領を支援しているサウジアラビア主導の連合軍に介入を要請。今回の戦闘で、イエメンの混迷はさらに深まっている。(c)AFP