【1月26日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で2度の総合優勝を誇るフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は、ルマン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race)に出場する可能性に向けて自身に必要な経験を与えるべく、27日に行われるデイトナ24時間レース(Rolex 24 At DAYTONA)でモータースポーツ界でのキャリアに新たな実績を加えようとしている。

 昨年のインディアナポリス500(Indianapolis 500)で運試しを行った36歳のアロンソは、NASCARシリーズで最も伝統を持つデイトナ500(Daytona 500)の舞台として有名な米国を象徴するサーキットのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ(Daytona International Speedway)での周回レースに臨む。

 アロンソは、世界三大レースのモナコGP(Monaco Grand Prix)、インディアナポリス500、ルマン24時間耐久レースで「三冠」を達成するという壮大な目標を掲げており、デイトナ500出場はその一貫となっている。過去に三冠の偉業を達成したドライバーはグラハム・ヒル(Graham Hill)氏のみだが、アロンソはモナコGPで通算2勝を飾り、昨年のインディ500でも初参戦でその実力を発揮した。

 アロンソは今週末のレースで、所属するマクラーレン(McLaren)のザック・ブラウン(Zak Brown)エグゼクティブディレクターが所有するユナイテッド・オートスポーツ(United Autosports)から参戦し、プロトタイプカーのリジェJS P217(Ligier JS P217)を駆ることになっている。チームメートにはフィル・ハンソン(Phil Hanson)や、マクラーレンでリザーブドライバーを務めるランド・ノリス(Lando Norris)が起用される。

 昼夜を通して走行する過酷なレースで、アロンソは慣れない環境を強いられることを楽しみにしている様子で、「きっと今後の役に立つだろう。初めてのプロトタイプカーで、トラフィックもナイトレースも必ず良い経験になるはずだ」とすると、「最大の課題はドライビングスタイルに適応することだ。勝手が違うことは確実だよ。ドライビングの仕方も、本番の時間帯も違ってくる。昼夜のレースで、トラフィックのこともあるからね」と語った。

 インディ500でのアロンソはエンジントラブルに見舞われて残り20周でレースをリタイアしたものの、27周リードを維持して新しい環境への適応力が優れていること示し、懐疑論者たちの予想を見事に裏切ってみせた。

 昨年はFIA世界耐久選手権(FIA World Endurance ChampionshipWEC)の最終戦バーレーン6時間レースで、トヨタ(Toyota)のテスト走行に参加したアロンソは25日、報道陣に対して、ルマンに出場する確率は五分五分と話してその可能性を残した。

「僕が将来ルマンに出場したいと望んでいることは、秘密でも何でもない。それが今年なのかそうでないのかは、自分でも100パーセントの確信はない。可能性はある。そうだね、五分五分かな。実現するためには、積み重ねていかなければならないことがたくさんあるし、そうするためには全力を尽くしていくことになる。答えがイエスであることを望んでいるけれど、イエスかノーか知るのは、君たちも僕と同じタイミングになるだろう」

 一方、マクラーレン側は、アロンソが今年の6月16日から17日にサルト・サーキット(Circuit de la Sarthe)で行われるルマン24時間に出場することは、F1での仕事に支障をきたさない限り本人の自由だという意向を示している。(c)AFP