【1月5日 AFP】韓国統一省が5日発表した統計によると、昨年、北朝鮮を脱出し韓国へ入国した脱北者は前年比21%減の計1127人だった。1か月当たりでは100人を下回り、2001年以降で最少となった。北朝鮮と中国が監視を強化した結果、脱北の動きは減少傾向にあるという。

 慢性的な食糧不足に陥っている上、核兵器開発やミサイル発射実験に対して国連安全保障理事会(UN Security Council)の制裁を受けている北朝鮮から脱出する人々の大多数が最初に向かうのは中国だ。彼らは時に中国で数年を過ごした後、大抵は第三国経由で韓国へ向かう。

 韓国へ到達した脱北者を支援している団体「リンク(LiNKLiberty in North Korea)」のパク・ソッキル(Park Sokeel)氏は「到着する(脱北者の)数が減少しているのは極めて大きな懸念だ。それは北朝鮮での生活が良くなったからではなく、中国当局が一方で北朝鮮への経済制裁強化に合意しておきながら、他方で北朝鮮の難民に対する取り締まりを強化しているからだ」と述べた。さらに、そのようにして中国当局は「北朝鮮政府の人権侵害に加担している」と同氏は批判した。(c)AFP