【1月8日 CNS】古代ギリシャ数学を代表する数学書『原論』の満州文字版が、中国・内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)フフホト市(Hohhot)の内モンゴル自治区図書館(Inner Mongolia Library)で公開されている。

 満州文字版は、古代ギリシャの数学者ユークリッド(Euclid)の著書を、清朝時代に中国で活動していたフランスのイエズス会士、ジョアシャン・ブーヴェ(Joachim Bouvet)と張城(Zhang Cheng)が編集・翻訳した。この数学書は当時の清朝皇帝、康熙帝(Emperor Kangxi)が幾何学を学ぶために作成された書で、すべて手書きの満州文字で書かれている。行間には、康熙帝が学習する際に記したと思われる赤い字で書かれた直筆のメモが残っており、『国家珍貴古籍名録』に登録されている。

 同図書館で開催中の『冊府千華——内モンゴル自治区蔵国家珍貴古籍特展』で、宋、元、明、清時代の150件の古代書籍と共に公開されている。書籍は漢字のほか満州文字、モンゴル語、チベット語、西夏文字などさまざまな文字で記されている。雷峰塔(Leifeng Pagoda)が倒壊した際に発見された北宋時代の仏教の教典『宝篋印(ほうきょういん)陀羅尼(だらに)経』など貴重な古籍が公開されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News