【12月25日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地とされるパレスチナ自治区のベツレヘム(Bethlehem)で24日、恒例のクリスマスミサが行われた。しかし、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がエルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定したことに抗議するパレスチナ人とイスラエルの治安部隊との衝突が続くなど緊張が高まっており、今年は観光客らの姿が例年より少なかった。

 ヨルダン川西岸(West Bank)に位置するベツレヘムのマンガー広場(Manger Square)には、キリスト生誕の場面を再現した巨大なモニュメントやクリスマスツリーが飾られ、多くのパレスチナ人や観光客がパレードを見学しようと寒い中、集まった。

 例年は広場は観光客でごった返すが、この数週間はパレスチナ人のデモ隊とイスラエルの治安部隊との衝突が続いており、今年は訪問者の数が減った。

 トランプ氏が6日にエルサレムをイスラエルの首都と認めて以降、パレスチナ人12人が殺害された。犠牲者の中には、ガザ地区(Gaza Strip)での抗議活動中に銃で撃たれ、9日後の24日に死亡した19歳の少年も含まれている。

 観光ポータルサイト「ビジット・パレスチナ(Visit Palestine)」を運営するサミ・クーリー(Sami Khoury)氏によれば、多くの観光客がクリスマスの旅行をキャンセルしたという。

 ミサには「観光客はもちろん、パレスチナ人も少なかった」と話すクーリー氏は、トランプ大統領の決断によって雰囲気が壊されたと批判する。「クリスマスの気分がしない」

(c)AFP/Shatha Yaish