【12月23日 AFP】米自動車大手フォード・モーター(Ford Motor)のシカゴ工場2か所で数十年にわたりセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)などが横行していたとの報道を受け、同社のジム・ハケット(Jim Hackett)最高経営責任者(CEO)は、工場従業員らに対し謝罪する声明を出した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は今週、シカゴの2工場で働く女性らが1990年代から受けてきたセクハラや不当な待遇を詳細に伝える記事を掲載。証言を行った現従業員や退職者は70人を超え、問題を報告すると報復行為を受けたり、報告を控えるよう促されたりするなど、女性に対して敵対的な風土が根付いていたと主張している。

 問題となっている工場には、同社で最も古くから操業を続ける工場も含まれる。NYタイムズ紙の調査によると、これらの工場で起きた嫌がらせには深刻なものも含まれ、中には繰り返し問題行動に及ぶ加害者もいた。ある事例では、労働条件の改善を求めた女性従業員が上司の男性から圧力を受け、性行為に及んだこともあったという。

 ハケットCEOは21日に公開した従業員宛て書簡で、「私自身と、私同様にこうした言動を糾弾し、いかなるハラスメントも遺憾とするフォード・モーターの従業員らを代弁し、謝罪する」と表明。今回の問題を教訓とし、改善に努めると誓った。(c)AFP