【11月26日 AFP】中国・北京の幼稚園で園児が針で刺されたり、えたいの知れない錠剤を飲まされたりしたと保護者らが訴えている事件で、教諭ら女2人が市当局に身柄を拘束された。警察が25日、明らかにした。

 問題の幼稚園は北京・朝陽(Chaoyang)区で紅黄藍教育(RYB Education)が運営する紅黄藍幼稚園。保護者からの訴えを受けて区当局が22日に捜査を開始していた。事件をめぐっては国民の間に激しい怒りが広まったことから、国内全土の学校・幼稚園を対象とした捜査も開始されている。

 北京市公安局が25日にソーシャルメディアの公式アカウントで発表した声明によると、同事件との関連で、河北(Hebei)省出身の教諭の女(22)が担当する園児を虐待した容疑で身柄を拘束された。

 さらに「インターネットで虚偽の記事をでっち上げて拡散した容疑」で北京に住む女(31)が2日前に身柄を拘束されたと、声明は明らかにした。この女は、軍関係者が園児を虐待していたという筋書きをでっち上げ、「違法の事実」を中国の人気ソーシャルメディア「微信(ウィーチャット、WeChat)」で拡散したとされるが、「深い反省」を示しているという。

 紅黄藍幼稚園は大型軍事基地に隣接しているが、ネット上では軍関係者らによる園児への性的虐待関与を疑ううわさが飛び交っていた。

 中国人民解放軍(People's Liberation Army)の機関紙「解放軍報(PLA Daily)」によれば、園長の夫は隣接する基地の軍幹部だったが、これまでのところ軍関係者らが園児の虐待に関与していたとの証拠は全くないという。

 国営の新華社通信(Xinhua)が、紅黄藍幼稚園の園児らは「性的虐待」も受けていたと報じているが、詳細は明らかにされていない。(c)AFP