【11月21日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)元女王のヤナ・ノボトナ(Jana Novotna)さんが19日、がんのため49歳で死去したことを受け、テニス界に悲しみが広がっている。

 ノボトナさんは1998年のウィンブルドンで、ヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)とマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)氏を破って勝ち上がると、決勝ではフランスのナタリー・トージア(Nathalie Tauziat)氏を倒して優勝を飾った。

 女子テニス協会(WTA)の声明によると、母国チェコで家族に見守られながら息を引き取ったというノボトナさんは、1998年大会のほかにウィンブルドンでは1993年と1997年にも決勝に勝ち進んだが、いずれもシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏とヒンギス氏の前に涙をのんだ。

 中でも最終セット4-1とリードしながら優勝を逃した1993年大会決勝の表彰式で、悲しみに暮れるノボトナさんがケント侯爵夫人(Duchess of Kent)に慰められる場面は、記憶に残るウィンブルドンの瞬間として今も人々の心に焼き付いている。

 また、ノボトナさんは1991年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)でもシングルス準優勝に輝いただけでなく、四大大会(グランドスラム)の舞台では女子ダブルスで通算12回、混合ダブルスでは同4回にわたり栄冠に輝いた。

 現役時代はヘッドバンドをトレードマークに、WTAツアーでシングルス通算24勝、ダブルス同76勝を記録したノボトナさんの訃報には、チェコ出身で米国のマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏をはじめとした元選手だけでなく、現役プレーヤーからも悲しみの声が上がっている。