【11月21日 AFP】(更新)ジンバブエの与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)は20日、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)の弾劾手続きを開始すると発表した。

 先週に国軍が権力を掌握したジンバブエでは、ムガベ大統領に対する辞任圧力が高まっている。だが同大統領は19日のテレビ演説で、期待されていた辞任表明をせず、政治危機は2週目に突入した。

 ZANU-PFは同大統領が20日正午(日本時間同日午後7時)までに辞任しなければ弾劾手続きを進めるとの最後通告を出していたが、同大統領はこの通告を無視。同党議員らはこれを受け、大統領の解任に必要な最初の手続きを21日に行うと発表した。

 弾劾手続きでは、上下両院の過半数が賛成すると議員によって調査委員会が設置される。同委員会はその後、調査結果を両院に報告。両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が得られれば、ムガベ大統領は解任されることになる。

 一方、国軍のコンスタンチノ・チウェンガ(Constantino Chiwenga)司令官は20日、ムガベ大統領に今月解任された後、南アフリカに脱出したとみられているエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)前副大統領について、ムガベ大統領と連絡を取っていることを明らかにし、間もなく帰国するとの見通しを示した。

 ムナンガグワはムガベ氏に代わってZANU-PFの新党首に選ばれており、ムガベ氏が大統領を辞任すれば新政権への移行でリーダー役を果たすとみられている。

 チウェンガ司令官は、国民に対して「忍耐と冷静さ」も呼び掛けた。(c)AFP/Susan NJANJI