■トランプ氏が気に掛けているのは「大金と著名人」

 トランプ氏のライバルだった民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に投票することは、ペギーさんの選択肢にはなかった。

 クリントン氏は、夫ビル・クリントン(Bill Clinton)氏がアーカンソー州知事を務めていた数年は州知事夫人だったわけだが、その間、地元住民には、地方都市の不安から距離を置く冷たい人物という印象を残した。

 だが、この町にはトランプ氏の支持派が大勢いる一方で、同氏を中傷する人々も存在する。

 退役軍人をたたえるコンサートに参加していた、自身も退役軍人であるブラッド・モール(Brad Mohr)さんは、「彼(トランプ大統領)の頭の中には、この国の平均的な国民はいない。彼が気に掛けているのは大金と著名人のことだけ」と批判した。トランプ氏は軍を支援すると言っているが、とモールさんは話し、こう指摘した。「私たちがお金を使ってほしいと思うこと、例えば医療保険や雇用などではなく、別のことに巨額のお金をつぎ込んでいる」

 夫が経営する家畜飼育場の事務を手伝いながら、他に2つの仕事を掛け持ちしているアシュトン・プルイット(Ashton Pruitt)さん(29)は、昨年の米大統領選ではクリントン氏に投票した。

 プルイットさんは、大統領選以降、あまり変化があったようには思えないと話した。「私たちが養っていきたいと思っているのは子どもたち。だから必死で働いているんです。誰が大統領であろうと」(c)AFP/Juliette MICHEL