ダルビッシュに人種差別的行為のグリエル、厳しい洗礼覚悟でLAでの第6戦へ
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【10月31日 AFP】米大リーグ(MLB)、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)のA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督は、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のダルビッシュ有(Yu Darvish)に対して人種差別的行為をとったユリエスキ・グリエル(Yuli Gurriel)が、31日の試合では相手ファンから敵意を向けられることを覚悟しているという認識を示した。
ヒューストン(Houston)で行われた第3戦でダルビッシュに人種差別的なジェスチャーをしながらも、ワールドシリーズへの出場禁止処分を免れた33歳のグリエルは、アストロズ打線の中軸として29日の第5戦に出場し、4回にドジャースのエース投手クレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)から4-4に追いつく同点本塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。
激戦となったこの試合を13-12で制し、チーム史上初のワールドシリーズ制覇に王手をかけたアストロズだが、シリーズの行方を左右する可能性がある31日の第6戦では、グリエルがドジャースタジアム(Dodger Stadium)の打席に立つ際に大ブーイングを浴びることは確実とみられている。
ヒンチ監督は、「ユリ(グリエル)は強い心の持ち主だ。彼は間違いを犯し、その報いを受けることになる。LAでの反応は、間違いなく攻撃的なものになるだろう」とコメントした上で、2018年シーズンの開幕から5試合の出場停止処分が科されたグリエルと、今回の問題について話し合うつもりはないと明かした。
「この問題について、彼と話し合う必要はないと考えている。彼が厳しい洗礼を受けることになるのは、誰もが承知の上だ。両チームのように、5万5000人のファンが素早く気持ちを切り替えるとは思えない」
シリーズが第7戦に持ち込まれれば、差別行為をしたグリエルとの和解を申し出たダルビッシュが来月1日の試合で先発登板する可能性があるなか、ドジャースのデーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督は、追い込まれているチームとして31日の試合だけに集中すると述べ、史上21チーム目となるシリーズ2勝3敗の劣勢を跳ね除けてのタイトル獲得を目指している。
「ドジャースタジアムは、騒々しさと熱気に包まれるだろう。チームとしては、とにかく1勝を目指すのみだ。2連勝することを考えていたら、先走ってしまう。今は窮地に追い込まれており、まずは1勝できるように全力を尽くしていくだけだ」
29日の劇的勝利でヒューストンが歓喜に包まれているなか、ドジャースの選手は闘志を燃やしており、守護神のケンリー・ジャンセン(Kenley Jansen)は「相手は3勝2敗で喜んでいるが、いいかい?彼らはもう一度、俺たちを倒さなければならないんだ」とコメントしている。
「次は自分たちのホームゲームであり、このまま全力を尽くしていくだけだ。もうこれが最後で、下を向いている場合ではない。次は本拠地だ。相手は誰であろうと関係なく、前を向いて戦い続けていくだけさ。悪い流れを引きずってはならない。相手は自分たちやるべき仕事をこなし、ホームの利点を生かした。そのなかで、われわれも1勝した。今度はこっちが守り抜いて第6戦に勝ち、勝負を振り出しに戻してみせる」
キューバ出身のスター選手、ヤシエル・プイグ(Yasiel Puig)もドジャースが31日の試合勝利を収め、シリーズ戦績をタイに戻すと強調し、「火曜日(31日)で終わりにはしない。第7戦に持ち込んでやる」と語った。(c)AFP/Rob Woollard