【10月30日 AFP】17MLBは29日、ワールドシリーズ(7回戦制)第5戦が行われ、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)は延長10回にアレックス・ブレグマン(Alex Bregman)が決勝打を放ち、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)との熱戦を13-12で制し、シリーズ戦績を3勝2敗としてワールドシリーズ制覇に王手をかけた。

 MLBデビューからわずか15か月で、ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセン(Kenley Jansen)から殊勲の一打を放った23歳のブレグマンは「チームの勝利に貢献できたことがとにかくうれしい。きのうの試合で(ジャンセンの)スライダーを打っていたから、投げてこないだろうと思ってカットボールを狙っていたら、なんとかうまく打つことができた。3勝2敗にできて良かったよ!」と喜んだ。

 アストロズのA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督は、「あくまでシーズンの1ゲーム。われわれは大きな勝利に近づきつつあるし、今はそれしか考えていない」とコメントすると、決勝打のブレグマンについては「必要なことを理解している選手だ。あの場面でも落ち着いていられるのは生来の才能だ」と話した。

 両チームの激闘は、今シリーズの劇的な流れを映したようなどちらに転ぶかわからない展開となり、決着がついたのは試合開始から5時間17分が経過したあとのことだった。 第6戦は31日にドジャースの本拠地ロサンゼルス(Los Angeles)で行われる。

 3点本塁打を放ったアストロズのカルロス・コレア(Carlos Correa)は「信じられない。間違いなく最高のゲームだ。今は感情が高ぶってる。僕らはシリーズのリードを奪った。LAで優勝を決める」と話した。

 両チーム同点で迎えた延長10回裏、アストロズはブライアン・マッカン(Brian McCann)がドジャースの守護神ジャンセンの死球を右腕に受けて出塁し、続くジョージ・スプリンガー(George Springer)も四球を選んで得点圏に走者を進めた。そして、ブレグマンの左翼への安打で代走のデレク・フィッシャー(Derek Fisher)が本塁へ突入すると、ドジャースも必死に返球したが間に合わず、アストロズの選手とファンは喜びを爆発させた。

 敗れたドジャースは、1988年以来のワールドシリーズ制覇に向けて後がなくなった。12得点を奪いながらの敗戦は、こちらも乱打戦となった1993年のワールドシリーズ第4戦、フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)対トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)の14対15に次ぐ史上2番目の記録となっている。(c)AFP/Jim SLATER