【9月20日 AFP】米ハワイ(Hawaii)州で17日、有人火星探査を想定した8か月の隔絶実験が終了し、6人の「クルー」が人里離れたドームの中から姿を現した。6人は狭い空間を共有し、ドライフードを食べつつ、互いの衝突を回避するよう努めて過ごした。

 米航空宇宙局(NASA)が支援し、ハワイ大学(University of Hawaii)が実施した模擬実験「HI-SEAS(Hawaii Space Exploration Analog and Simulation)」は今回で5回目。宇宙の果てに長期間の探査に出る宇宙飛行士の間で確実に起きるいさかいや衝突の解決を助ける試みだ。

 ドームから現れた男性4人と女性2人の参加者らは、新鮮な果物や手料理、また顔に受ける新鮮な空気の感覚を満喫した。米CBSニュース(CBS News)が伝えた映像で参加者の一人、ブライアン・ラモス(Brian Ramos)氏は、「家を離れて恋しいと思ったのは、ポルトガル料理だ」と語った。

 模擬実験のリーダーによると、対立は避けられないものだが、今回の参加者は全体として主要課題では上出来だったという。科学者らは、参加者同士の面と向かってのやり取りから感情的対立の兆候を監視し、ストレスを制御するバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)のヘッドセットを与えた。

 次回の8か月間の模擬実験は2018年1月に開始される予定。(c)AFP