【8月30日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)は29日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、背中の故障や準備不足といった不安要素を克服し、辛くもフルセット勝ちで2回戦進出を決めた。

 四大大会(グランドスラム)通算19勝のフェデラーはこの日、世界ランキング70位の19歳フランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)に想像以上の苦戦を強いられながらも4-6、6-2、6-1、1-6、6-4で逃げ切り、上位進出へ望みをつなげた。

 フェデラーは試合後「これが大きな自信になると思う」とした上で、「こうした非常に浮き沈みのある試合を序盤に乗り切ることが重要。プレッシャーは楽しいものではないが、何とかして対処しなくてはいけないものだ」と語った。

 また、直前のウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2017)を背中の痛みで欠場したため、実戦はアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に敗れた2週間前のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2017)決勝以来だったフェデラーは「最初は数週間前に負った背中の問題を心配していたが、途中からはリラックスできた」とコメント。

 大会前の調整を制限する原因になった背中の状態についても「非常に良好。ここからは良くなっていくだけ」とした上で、「5セットマッチを切り抜けるには健康でいなくてはならない。この試合が自分のテニスだけでなく、体にも大きな自信をくれると思う」と続けた。

「少しなまっているか、あまり良くない状態で入らなくてはいけないのは知っていた。もう少し良い出だしを望んでいたけどね。自分の動きに神経質になりすぎていた。第2セットから全体的に合ってきた」

「最後は疲れと緊張もあったけど楽しむことができた。良い試合だったと思うし、勝てて興奮しているよ」

 対するティアフォーは「彼はかろうじて勝利した」、「自分は良いプレーができていると感じたし、ほとんどのラリーを支配していたと思った。ハードヒットしたときは、ついてこさせるだけで、彼に何もさせなかったと思う」として、先行しながらもリードを保てなかった点を悔やんだ。

 ティアフォーに課された試練を乗り切ったフェデラーは、これで2003年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)から続く四大大会(グランドスラム)1回戦の無敗記録を維持している。

「試練という言葉以上の戦いだった。エキサイティングだったし、こうした気分を経験するためにニューヨーク(New York)に来たんだ」

 全米オープンで6度目の栄冠を目指すフェデラーは次戦、ミハイル・ユーズニー(Mikhail Youzhny、ロシア)とブラズ・カブチッチ(Blaz Kavcic、スロベニア)の勝者と対戦する。(c)AFP/Jim SLATER