【9月4日 CNS】中国・北京(Beijing)で8月28日、中国薬品安全追遡(トレーサビリティ)連盟が発足した。同連盟の活動趣旨は、薬品業界が薬品の安全なトレーサビリティー(履歴管理・追跡可能性)を共同で管理するシステムを作り、薬品の生産から流通、また使用時の全工程の安全までを根本的に保証することを働きかけるものだ。

 薬品流通の全工程のトレーサビリティーが未形成だと、薬品生産メーカーは全面的に下流部の販売状況を把握するすべがなく、同時に非正規品の流入があった場合、薬品の安全性を脅かすだけではなく、市場の価格体系を乱すこともあり、またその調査や立証も困難になる。

 中国医薬管理協会の牛正乾(Niu Zhengqian)副会長は、「薬品の安全性を踏まえて、薬品のトレーサビリティーシステム構築の重要さと緊迫さを示した。政府先導による市場化運営、企業責任を主体としたトレーサビリティーシステムを、社会各方面で積極的に移行させていかなければならない」と述べた。

 中国人民大学(Renmin University of China)の劉鵬(Liu Peng)教授は、「完全な薬品トレーサビリティーの構造は、薬品のリスク管理を確実に行うための重要なツールだ。薬品の安全性を保つために、薬品の使用期限に対する運用の情報化手段を全工程で監視し、品質のコントロールやリアルタイムの追跡ができるようにしなければならない」と話す。

 薬品全工程トレーサビリティーシステムの構築と共に、消費者薬品安全サービス基準の制定によって消費者が安全に薬を利用するための意識向上を促すこと、薬品トレーサビリティーシステム応用への探究、医薬データの安全な応用と管理規範の制定。これら4つの領域において、各企業や技術サービス会社、専門学者が団結して力を尽くしていくことに、この連盟の未来がかかっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News