【8月16日 AFP】18日からドイツ・ブンデスリーガ1部の17-18シーズンが開幕する。バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)以外の17クラブ中13クラブの指揮官が今季もバイエルンの圧勝を予想しているが、世界陸上(16th IAAF World Championships in Athletics London)のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)の敗戦のようなまさかの出来事がバイエルンにもあるかもしれないと、自分を奮い立たせようとする監督もいる。

 18日から始まる新シーズン開幕戦で、バイエルンは絶対的な優勝候補としてバイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)と対戦する。独スポーツ通信社SIDの調査によると、ブンデス1部の全18クラブ中、13クラブの監督が優勝はバイエルンだと答え、同チームの6連覇を予想する声が圧倒的多数を占めている。

 それでもケルン(1. FC Cologne)のペーター・シュテーガー(Peter Stoeger)監督は、「バイエルンを推すが、物事に絶対はない」と話し、米国のジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)が金メダルを獲得し、ボルトが銅メダルに終わった世界陸上の男子100メートルを指しながら、「ウサイン・ボルトが100メートルで負けたのだから、ドイツでも別のチームがチャンピオンになるかもしれない」と続けた。

 ブンデスリーガ1部では、バイエルンが最近10シーズンで7回タイトルを獲得し、2013年からは5連覇を達成。昨季も2位のRBライプツィヒ(RB Leipzig)に勝ち点15差をつけて圧勝した。ウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)会長も「ブンデスのタイトルは必須ライン」と豪語している。

 SIDの調査によると、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のピーター・ボス(Peter Bosz)新監督、1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)のユリアン・ナーゲルスマン(Julian Nagelsmann)監督、そしてVfBシュツットガルト(VfB Stuttgart)のハネス・ヴォルフ(Hannes Wolf)監督が、優勝予想の質問に回答しなかった。

 レバークーゼンのハイコ・ヘルリッヒ(Heiko Herrlich)監督だけは、2011年と2012年にリーグ連覇を果たし、バイエルンの牙城を崩した最後のチームであるドルトムントを推したが、同じ考えの監督はほかにいなかった。

 今季のバイエルンは、チームを落ち着かせていた主将のフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)とシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)が現役を退いたものの、フランス・リーグ1のオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)からコランタン・トリソ(Corentin Tolisso)、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)からハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)を獲得した。

 ライプツィヒのラルフ・ハッセンヒュッテル(Ralph Hasenhuettl)監督は、「何もなければ今回もバイエルンがチャンピオンだ。またサプライズを起こしたいとは思っているが、昨季よりもかなり厳しいだろう」と語った。

 バイエルンのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は、10代のウインガー、ウスマン・デンベレ(Ousmane Dembele)の去就に揺れるドルトムントが最大のライバルになるとみており、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)に初めて出場するライプツィヒは苦しむと予想している。

「もちろん、またチャンピオンになりたいし、その力があると思っている。他のチームではドルトムントが強敵だろう。ライプツィヒに関してはお手並み拝見というところだ。彼らには、チャンピオンズリーグを初めて体験する過酷なシーズンが待ち受けている」

 元ドイツ代表で、バイエルンで主将も務めたシュテファン・エッフェンベルク(Stefan Effenberg)氏は、バイエルンとドルトムントの一騎打ちを予想した。

「今年はドルトムントがバイエルンを苦しめられる位置にいると思う。もちろん、そのためにはいろいろなことがうまくいかなくてはならない。3チームか4チームの争いになるとは思わないが、全体としては接戦になるはずだ」

 エッフェンベルク氏はまた、バイエルンと初戦で当たるレバークーゼンは幸運だと考えている。

「レバークーゼンにとっては有利な部分だ。バイエルンが波に乗り出したら、勝者として試合を終えることは不可能だからね。しかし開幕戦は少し話が別だ。運があれば、どんな結果になってもおかしくない」 (c)AFP/Ryland JAMES