【8月13日 AFP】ケニアで現職のウフル・ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領が勝利した大統領選をめぐり、敗北した野党連合「国民スーパー連合(National Super AllianceNASA)」は12日、選挙結果は「いかさま」だと主張し、選挙結果が覆るまで抗議を継続すると明言した。大統領選結果への抗議行動は一部で暴動に発展し、これまでに11人が死亡した。

 8日に行われた大統領選はケニヤッタ大統領が11日夜に勝利宣言を行ったが、対立候補だった野党連合のライラ・オディンガ(Raila Odinga)氏は選挙で大規模な不正が行われたと主張。オディンガ氏の拠点で即座に支持者らによる抗議行動が発生した。

「国民スーパー連合」は今後の対応策は未定ながらも選挙結果への不服を法廷闘争に持ち込むことは拒否しており、抗議を続けていく構えだ。

 一方、フレッド・マティアンギ(Fred Matiangi)内相は12日、抗議行動の参加者らを「犯罪分子」と非難した。

 選挙後の暴動はケニアでは珍しいことではなく、2007年の大統領選後にも、民族および政治的な対立をめぐる衝突が2か月間続き、1100人が死亡、60万人が避難を余儀なくされている。

■野党側は死者「100人」と主張

 警察幹部の情報によると、11日夜以降、首都ナイロビ(Nairobi)の遺体安置所には計8人の遺体が搬送された。遺体はナイロビのスラム街マザレ(Mathare)、キベラ(Kibera)、カワングワレ(Kawangware)から運び込まれたもので、大半は銃撃を受けた痕があったという。

 AFPのカメラマンも、マザレで子ども1人の遺体を目撃した。家族によると、この子どもは自宅4階のベランダからデモを眺めていたところ、背中を撃たれたという。

 また、別の警察官によるとケニア南西部シアヤ(Siaya)の抗議行動で男性1人が銃で撃たれ死亡。西部キスム(Kisumu)郊外の抗議行動でも1人が銃撃を受けて死亡したと地元政府関係者が認めた

 国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は、ケニアの診療所でこれまでに負傷者54人の治療を行ったとツイッター(Twitter)で明らかにした。

 一方、「国民スーパー連合」のジョンソン・ムサマ(Johnson Muthama)氏は、抗議行動絡みで約100人が死亡したと主張しているが、証拠は示していない。

 AFP独自の集計では、9日以降の大統領選関連の死者は17人。(c)AFP/Fran Blandy with Tristan McConnell