【8月4日 AFP】フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)は3日、ブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)と推定年俸3000万ユーロ(約39億円)の5年契約を結んだと発表。これにより、史上最高額となる移籍が完了した。

 スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に契約解除金2億2200万ユーロ(約288億円)が支払われた数時間後、PSGとの契約にサインした25歳のネイマールは「PSGに加入してとてもうれしい」とコメントした。

「自分が欧州に来て以降、PSGは常に最高の競争心と野望を示してきたクラブの一つだった。自分にとって新しいチームメートと一緒になる最大のモチベーションになったのは、ファン待望のタイトル獲得に向けて、このクラブを手助けすることだ」

「自分を魅了したPSGの野望に加え、その情熱とエネルギーがこの動きを実現させた。欧州では4年間プレーしてきたし、挑戦への準備はできている。きょうからチームメートを手助けするために、自分にできることは何でもやるつもりだ。そしてクラブに新たな領域を切り開き、世界中にいる大勢のサポーターに喜びをもたらしていく」

 PSGの発表によると、ネイマールは4日に本拠地パルク・デ・プランス(Parc des Princes)で行われる記者会見に臨むとしており、5日には今季昇格したアドリアン・ラビオアミアン(Amiens SC)とのリーグ開幕戦の試合前に、同会場でファンにお披露目されることになっている。

 PSGはまた、ネイマールの商業的価値を一瞬も無駄にせず、4日には地元パリ(Paris)を象徴するシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りのクラブショップで同選手の名前入りユニホームを売り出すことを発表した。

 今回の移籍金の額は、2016年夏にポール・ポグバ(Paul Pogba)がユベントス(Juventus)からマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)へ加入した際に支払われた史上最高額、1億520万ユーロ(約138億円、当時)の2倍以上に当たることになり、サッカー界における移籍金の激しいインフレ状態に多くの専門家が言葉を失っている。

 アーセナル(Arsenal)のアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督やユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督などからも、ネイマールの今回の動きによってサッカー界の移籍金と選手の給料がさらに高騰する可能性を嘆く声が上がっている。

 倹約志向の指揮官としてアーセナルで21年間指揮を執るベンゲル監督は、「インフレが加速しているようだ」とすると、「予測がつかない状況であり、合理性を欠いている」という見解を示した。(c)AFP