【8月3日 AFP】米大リーグ(MLB)のフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)は2日、歴代通算最多安打記録を誇るピート・ローズ(Pete Rose)氏が1970年代に未成年者と性的関係を持ったとする疑惑が生じたことを受け、予定していた同選手の球団殿堂入り式典をキャンセルすると発表した。

 1980年のワールドシリーズ制覇の立役者となったローズ氏に対し、フィリーズは今月12日に球団の殿堂入り式典の開催を計画。その前日には、球場を訪れた観客にローズ氏のバブルヘッド(首振り人形)をプレゼントするはずだった。

 しかし、1979年から83年にかけてフィリーズに在籍したローズ氏が、当時16歳未満の少女と性的関係を持ったとする疑惑を米スポーツ専門サイトのESPNが報じたことで、球団側は式典の中止を決定した。

 キャリアの大半を過ごしたシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)の監督在任中に野球賭博に関わったとして、1989年に永久追放処分となったローズ氏は、米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りの道は閉ざされていたが、フィリーズのファン投票により、同球団での殿堂入りを勝ち取っていた。

 ローズ氏は声明で「今年の殿堂入り会員として、フィリーズファンが私に投票してくれたことを大変光栄に思う」とした上で、今回の件が式典に悪影響を及ぼすことを懸念しているとして「不参加の決定に合意した」と述べた。

 現在76歳のローズ氏は、24年にわたるMLBのキャリアで史上最多となる4256安打、通算打率3割0分3厘の成績を残し、ワールドシリーズも3度制した。

 ローズ氏は自身を永久追放処分に導く捜査を担当したジョン・ダウド(John Dowd)氏を相手に名誉毀損で訴訟を起こしているが、これに対して反訴した女性の宣誓陳述書の中で、ローズ氏が1970年代に数年間にわたって少女と性的関係を持ったとする内容があったとESPNが報じた。

 先月31日に公開された裁判資料によると、ローズ氏は少女と性的関係を持った事実を認めているが、その関係が始まったときの少女の年齢は16歳だったと確信しているという。

 また、書類で「ジェーン・ドウ(Jane Doe)」と称される少女との性的関係が始まったとされる1975年当時、すでに結婚していたローズ氏の年齢は34歳で、2人の子どもを設けていた。

 ESPNが入手した裁判資料によると、ローズ氏は少女との関係がどれだけ続いたか覚えていないとされている。また、オハイオ(Ohio)州における出訴期間は過ぎているため、女性の主張によってローズ氏が刑事責任を問われる可能性はないという。(c)AFP