【7月27日 東方新報】中国国内で流行しているシェア自転車は、環境保護の代名詞となっている。多数の都市にシェア自転車を投入し、広く好評を博している。「小白(XiaoBai、白ちゃん)」の愛称で親しまれる「Baicycle」社の自転車は、ファッショナブルなデザインだけでなく、通勤ラッシュの混雑を回避することもできる。また、低炭素社会にふさわしい、環境にやさしい移動方法となった。

 シェア自転車が徐々に日本に進出してきたことは、華人にとっても鼻の高いことである。たくさんのシェア自転車企業が、日本進出の計画を進めている。Baicycleの創始者、曹躍(Cao Yue)氏によれば、同社にとって日本という国は、人口が密集していて短距離移動が多く、かつ新しいものを受け入れやすいという、シェア自転車が発展するためにこの上なく条件がそろった国なのだとか。

東京大学からスタート

 Baicycleは、7月に6000台が東京に上陸した。同18日、日本で最も有名な東京大学(University of Tokyo)柏キャンパスに姿を現した。

 この日、東京には珍しくひょうが降ったが、「小白」は使用テストを引き受けてくれた中国人留学生に無事、手渡された。まずは同大など首都圏5か所の大学に100台を試験的に設置。Baicycleの携帯用アプリをダウンロードすれば携帯電話番号で識別され、利用可能となる。

 導入の初期段階として、学生たちが大学構内での移動用にキャンパス内に設置された「小白」だが、大学構内の指定駐輪場に戻しさえすれば、学校の敷地を出て利用することも可能だ。ルールを破ると、次回からレンタル料金が引き上げられるというペナルティがついている。現在、「小白」を受け入れた大学は、東京大学の他に、千葉大学(Chiba University)、筑波大学(University of Tsukuba)、横浜国立大学(Yokohama National University)、埼玉大学(Saitama University)などで、他大学の指定駐輪場に駐輪することも可能となっている。

Baicycleの創始者曹躍氏インタビュー

 シェア自転車の競争が徐々に始まった日本市場で、モバイルペイメントの普及が困難であることなどの問題や、中国で流行っているシェア自転車が本当に日本人の足として定着するのかなどについて7月14日、東京を訪れていたBaicycle創始者、曹躍氏にインタビューを行った。

東方新報:どうしてBaicycleを日本で展開しようと考えたのですか?

曹躍:日本で発展したいと思っているのは、おそらくBaicycleだけではないでしょう。ほぼすべてのシェアリングエコノミーの企業、特にシェア自転車企業はみな日本市場に進出したいと思っているはずです。

 日本は人口が密集しており、日本を訪れる観光客が多い。観光客が多いということは、短距離での移動が多くなり、必ずそこに需要があるからです。また、日本は流行の最先端を行く国で、国民もとても友好的です。いま世界で話題になっているシェア自転車という新鮮なものも、喜んで受け入れてくれると思います。

東方新報:日本に進出する以前に、他の国へ進出したことはありますか? 成果はどうでしたか?

曹躍:あります。シンガポール、ヨーロッパ、アメリカなどへも進出しています。これらのプロジェクトは開始から1年ちょっとしか経っていないため、まだ初期段階ですが、全世界に広めていきたいと思っています。

東方新報:シェア自転車の中国国内での知名度、普及率共にとても高いですが、海外で展開するとなると、たくさん困難があるのではないですか。例えば、日本ではモバイルペイメントの習慣がありません。どのように克服しようとお考えなのですか?

曹躍:支払いの問題に関しては、我々もまだテスト段階で、まずは大学内で学生に無料体験チケットを送るという形で始めています。

 利用者が慣れてきたらその時は、アリペイ(Alipay)やウィチャットペイ(WeChat Pay)、日本のクレジットカードなどの方法を試したいと思っています。

 まずは利用者の声を聴いて、最終的に日本の方が一番受け入れやすい方法を模索するつもりです。