【7月19日 AFP】小型犬のチワワから大型犬のセントバーナードまで、今日の飼い犬はその起源を単一のオオカミの群れにまでさかのぼることができるとの研究結果が18日、発表された。人とこのオオカミの群れとの遭遇は、最大4万年前にさかのぼるとしている。

 今回の結果をめぐっては、「人間の最良の友」であるイヌがその祖先のオオカミからいつ、どこで最初に枝分かれしたかをめぐる科学的論争を再燃させるとみられている。

 オオカミからイヌの分岐が起きた時期と場所については、学派ごとにそれぞれ異なっており、約1万5000年前に欧州でと主張するものや、約1万2500年前に中央アジアまたは中国でと主張するものまで様々だ。

 他方で、2016年に米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文では、家畜化が欧州とアジアの2つの独立したオオカミ個体群からそれぞれ発生したとする説が提唱された。

 米ストーニーブルック大学(Stony Brook University)などの研究チームが実施した今回の最新研究によると、古代のイヌは約4万年前にオオカミから最初に分岐したことが、DNA分析で明らかになったという。この分岐が人の存在をきっかけに起きた可能性が高いことも分かったが、世界のどこで起きたかは特定できなかった。

 研究チームはまた、イヌの家畜化が「受動的な」プロセスをたどった可能性が高いとしており、人が野生のオオカミを積極的に手なずけたのではなく、オオカミが餌を探し求めて狩猟採集民の野営地に近づいたのが始まりと思われるとした。「この試みにおいては、より従順で攻撃性の低いオオカミほど多くの成功をおさめ」、そして人との距離が縮まった可能性が高いと説明している。

 研究チームによると、原初のイヌは、2万年前までに地理的に二分したという。片方が東アジアの犬種に、もう片方が欧州、アジア中南部、アフリカなどの犬種にそれぞれ枝分かれしていったとされる。