【7月8日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)は7日、男子シングルス3回戦が行われ、大会第9シードの錦織圭(Kei Nishikori)は4-6、6-7 (3-7)、6-3、3-6で第18シードのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)に敗れ、自身がグラス(芝)コート向きの選手ではないことを認める結果となった。

 通算9回目のウィンブルドン出場で、大会1週目に姿を消すのが今回で7度目となった世界ランク9位の錦織は、ほかの3つの四大大会(グランドスラム)ではすべて8強入りを果たしているのに比べ、これまで16強入り2回にとどまっているウィンブルドンを最も苦手としており、「簡単ではない。芝では良い結果が残せていない」と語った。

 錦織のグラスコートでの成績は全体的に険しいものとなっており、ウィンブルドンの前哨戦として出場した今季のゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2017)では、カレン・カチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)との試合で腰を痛めて途中棄権している。

 ウィンブルドンを控えたグラスコートでの最近5大会で、錦織はいずれも途中棄権か試合前の出場辞退に終わっている。ゲリー・ウェバー・オープンとウィンブルドンでは、2015年にふくらばぎを痛めたのに続き翌年も肋骨を負傷。今大会前に合計21回出場しているグラスコートで、棄権もしくは出場辞退となったのは合計8回を数える。

 試合が行われた第3コートの気温が徐々に30度に近づくなか、錦織はまたもグラスコートでの悪夢を繰り返し、合計11回のブレークチャンスを2回しかものにできなかったうえに、合計48回のアンフォーストエラーも記録。さらにタイムバイオレーションを取られたり、壁にラケットを投げつけたりする場面もあった。

 2014年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)でファイナリストになった実績を持ち、過去のバウティスタ・アグト戦では4戦全勝だった錦織は、「きょうはバウティスタを倒すのに十分なレベルを保てなかった。彼は終始サーブが絶好調で、リターンするのが難しかった。チャンスはたくさんあったけれど、重要な場面で彼が良いプレーをしていたと思う」と振り返った。

 錦織にとって今回の失意の敗戦は、グランドスラムでは2015年の全米オープン1回戦でブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)に敗れて以来の早期敗退となった。

 一方、バウティスタ・アグトは準々決勝進出をかけて、第7シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)と対戦する。2014年の全米オープンで優勝を果たしているチリッチは、米国のスティーブ・ジョンソン(Steve Johnson)を6-4、7-6(7-3)、6-4で下し、ウィンブルドンで自身6回目の4回戦に駒を進めた。

 このほかの日本勢ではまた、唯一生き残っていた大坂なおみ(Naomi Osaka)が女子シングルス2回戦に臨み、ウィンブルドンで通算5度の優勝を誇る第10シードのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)に6-7(3-7)、4-6で敗れた。(c)AFP/Dave JAMES