【7月4日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)は3日、女子シングルス1回戦が行われ、大会第10シードのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)は7-6(9-7)、6-4でエリーゼ・メルテンス(Elise Mertens、ベルギー)に勝利したが、試合後の記者会見では、先日発生した交通死亡事故について聞かれて泣き崩れる場面があった。

 現在37歳のヴィーナスは先月、車を運転中に衝突事故を起こして米フロリダ(Florida)在住の男性を死亡させ、相手の遺族から告訴されている。訴えによると、同選手は脇見運転と不注意運転で赤信号を走行し、事故から数週間後に死亡したジェローム・バーソン(Jerome Barson)さんに脊髄骨折および重度の体内損傷を負わせたとされている。

 世界ランク11位のヴィーナスは、試合後の記者会見でメディアから事故について何度も聞かれると、感情的になって泣き出してしまい、「本当に話す言葉がありません。とても打ちのめされていて…、そうです。何も言い表せません。ただ…」と言葉を詰まらせた。

 ウィンブルドンで通算5度の優勝を誇る元女王は、何度か頭を抱えたり退席したりする場面があった。そして戻ってきた際にも明らかに震えた様子をみせながら、その数分後に会見を終了している。先日には、通算20回目となるウィンブルドンへの準備を進める中で、自宅近くで悲劇的な事故に遭遇したことについて、「打ちのめされている」とコメントしていた。

 この日のメルテンス戦への集中力は十分だったものの、会見は決して簡単なものでなかったことを露呈してしまったヴィーナスは、この難しい状況下での思いについて問われ、こう応じた。

「私はこれまでたくさんテニスをプレーしてきて、コートに立つのはうれしいことです。今でもテニスが大好きですし、私に喜びを与えてくれます。これが私にとって20回目のウィンブルドンです。これほどたくさん出場できるとは考えていませんでしたが、ここに来てプレーすることに感謝しています」 (c)AFP/Steven GRIFFITHS