【6月12日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の司法長官は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の息子エリック・トランプ(Eric Trump)氏が運営する慈善団体が、集めた寄付金を父トランプ氏が経営する企業に流していたとの疑惑について捜査を開始した。司法長官の報道官が11日、明らかにした。

 エリック・トランプ財団(Eric Trump Foundation)は、テネシー(Tennessee)州メンフィス(Memphis)にある、がんやその他の重い病気を抱える子どもたちを対象とする非営利組織セント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children's Research Hospital)への寄付金を集めるため、2007年に設立された。

 同財団は、ニューヨーク北部のウエストチェスター(Westchester)郡にある、父トランプ氏が所有する「トランプ・ナショナル・ゴルフ・クラブ(Trump National Golf Club)」のゴルフコースで毎年トーナメントを開催していた。

 このイベントの初期の数年間は、ゴルフコースの使用料はトランプ氏一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)から寄付されていた。エリック氏は寄付者らに対し、ゴルフコースの使用料は寄付で賄われているため、財団は集まった寄付金の大部分をセント・ジュード小児研究病院に送ることができると説明していた。

 ところが、米経済誌フォーブス(Forbes)の調査によると、トランプ・オーガニゼーションは2010年から同財団に対してゴルフコースの使用料を請求していたという。

 同誌が確認した納税申告書によると、1日限りのこのゴルフトーナメントの開催費用は、当初5万ドル(約550万円)未満だったが、数年後には増大し、2015年には32万2000ドル(約3550万円)に達している。

 ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン(Eric Schneiderman)司法長官の報道官はAFPに対し、事態を明らかにするため調査が開始されたと述べた。(c)AFP